鉛の曝露が精神にも悪影響を及ぼす

有鉛ガソリンの時代に育った人々に関する研究によると、幼少期の鉛曝露は成人後の精神衛生と人格に悪影響を及ぼすことが明らかになりました。この研究は、鉛と知能の関連だけでなく、性格や精神健康への影響も調査しました。

具体的に、11歳の時の血中鉛濃度が高い人ほど、成人後に精神疾患の兆候や困難な性格特性を示す可能性が高かったという結果が得られました。この研究は、JAMA Psychiatry誌に掲載される予定であり、鉛の影響が30～40年にわたって持続する可能性を示唆しています。

1960年代から1980年代まで、世界中のガソリンには高濃度の鉛が含まれており、現在の成人の多くは子供の頃に鉛にさらされました。鉛曝露がIQに与える影響だけでなく、精神的健康にも影響を及ぼすことが示唆されました。

この研究によれば、鉛にさらされた被験者は大人になってから気難しい性格特性を持つことが多く、精神病理学因子も高いことが示されました。これらの結果は、鉛曝露が長期的に精神的・身体的健康に影響を及ぼす可能性を示唆しています。

今後の研究では、鉛曝露と認知症や心血管疾患などの後期疾患の関連についても調査される予定です。この研究は、鉛曝露の影響が他の先進国にも関連する可能性が高いことを示唆しています。