海岸沿いに住めば思わぬメリットが！？

最新の研究によれば、海の近くに住むことが、イングランドで最も貧しいコミュニティーのメンタルヘルスを改善できる可能性があることが明らかになりました。この研究はエクセター大学の研究者たちによって行われ、約26,000人の調査データを分析しました。

調査の結果、他の要因を考慮した上で、海岸に近い大きな町や都市に住むことが、収入の低い世帯の人々の精神的健康向上に寄与することがわかりました。イングランドでは、成人の約6人に1人が不安障害やうつ病などのメンタルヘルス障害に苦しんでおり、特に貧困層の人々にとってこの傾向が強いです。

この研究は、イングランド健康調査のデータを使用し、海岸からの距離と健康状態を比較しました。その結果、海岸へのアクセスが健康とウェルビーイングを向上させる可能性があることが示唆されました。ジョー・ギャレット博士は、この結果が非常に重要で、海岸の近くに住む貧しい家庭の精神的健康に対する保護的な役割を果たすかもしれないと述べています。

この報告書は、所得に応じて海岸での生活の利点が初めて詳細に実証されたものであり、ナチュラル・イングランドが2020年までにイングランドのコースト・パス全線へのアクセスを開放する準備を進めていることを示しています。これにより、海岸に住むことによるウェルビーイングの利点がより多くの人々にもたらされるでしょう。

エクセター大学の環境心理学者、マシュー・ホワイト博士は、この研究が政府に沿岸空間の保護や活用を奨励する重要性を強調し、誰にとっても公平なアクセスを確保する方法を理解し、沿岸環境を守ることが必要だと述べています。

この研究は、欧州連合（EU）のホライズン2020プログラムの支援を受けたBlueHealthプロジェクトの一環です。海岸へのアクセスが精神的健康に与えるポジティブな影響についての証拠を提供しています。